歯周病
Periodontal
歯周病
Periodontal
Periodontal
歯周病
歯周病は、歯肉だけの病気と誤解して軽く考えている方も多いのですが、進行すると歯を支える顎の骨が溶けてしまう怖い病気です。歯を失う原因としても、高齢では虫歯よりも歯周病の方が多いのです。
また、歯周病は“沈黙の病(silent disease)”とも呼ばれていて、骨が溶けていても出血以外の自覚症状がほとんどないのが特徴です。
歯周病は中高年の病気というイメージがありますが、実際は20~30代から進行し、早い場合は15~16歳のころに発症するケースもあります。10代~20代で歯周病を発症した場合は、年齢を重ねてから発症するよりも早く症状が進行します。
歯が抜けたり、顎の骨が溶けてしまった後では、もう元通りに戻すことはできません。
歯周病は予防が一番ですが、なってしまった後でも軽度のうちに適切な治療を行えば回復することができます。
進行して歯が抜けてから後悔するということのないよう、早めに治療を受けましょう。
次のような症状にお心当たりはありませんか?
どれか1つでも当てはまるようなら、もしかしたら歯周病かもしれません。
ぜひ早めにご相談ください。
歯周病の直接的な原因はプラーク(歯垢)です。プラークは生きた細菌の塊で、歯と歯ぐきのすき間(歯周ポケット)に潜んでいます。このプラーク中の細菌が出す毒素によって、歯ぐきに炎症が起きてしまうのです。
歯周病は、「口腔内の環境」や「生活習慣」にも間接的な原因となるリスクファクター(危険因子)が潜んでいます。
歯についた食べカスに細菌が繁殖し、粘着性のある細菌のかたまり(プラーク)を作ります。これにより、歯肉に炎症が起こり腫れることで、歯と歯肉の間には2~3mmのすき間が生じます。
歯肉だけでなく歯の周りの組織にまで歯周病菌が入り込み、歯を支える歯槽骨を破壊し始めます。歯肉はさらに赤く腫れ、歯を磨くと出血することもあります。歯肉の炎症はさらに悪化し、歯と歯肉の溝は3~5mmまで深くなります。これを歯周ポケットと呼び、その中には歯ブラシが届かないため、徐々に歯垢や歯石が溜まっていきます。
炎症がさらに悪化し歯周ポケットは深くなります。歯槽骨の破壊が進み、その半分近くが歯周病菌に溶かされてしまうため、歯はぐらぐらと揺れ動き始めます。歯肉は縮んで歯が長く見えはじめたり、血だけでなく膿が出るようになります。
歯肉が下がって、歯の根が露出します。半分以上の歯槽骨が溶かされるため、歯がグラグラするだけでなく抜けてしまうこともあります。この段階まで進むと、歯を維持することができなくなり、抜歯するケースが多くなります。
歯周病の与える悪影響は、口の中だけにとどまりません。歯周病は菌による感染症です。口の中で増えた歯周病菌が、血管に流れ込んで全身を循環することで、口から離れた臓器にもトラブルを引き起こします。
深い相関関係にある糖尿病と歯周病。糖尿病は、歯周病の合併症の1つです。
歯周病は、血糖値を下げるために必要なインスリンの生成を抑制します。その結果、血糖値が上がりやすくなり、糖尿病の症状が悪化します。
歯周病が糖尿病の原因となるわけではありません。しかし、糖尿病にかかると免疫機能が低下するため、歯周病の治りが悪く、症状も進行しやすいといわれています。糖尿病の方も、歯周病のケアに力を入れていただければと思います。
歯周病により引き起こされる全身疾患のなかでも深刻な状態に陥りやすいのが心臓病です。
心臓の手術をしたあとは、手術をした箇所に歯周病菌が付着して症状が悪化しやすいといわれています。
また心臓手術のあとは、血液をサラサラにするお薬をのむことが多く、その間、出血の可能性のある歯石除去や、進行した歯周病への処置としての抜歯ができなくなってしまいます。心臓の手術をするまえは、しっかりと歯周病治療を終わらせる必要があります。
脳梗塞も、歯周病が原因で引き起こされる疾患のひとつです。血管に流れ込んだ歯周病菌が動脈硬化をおこして、脳梗塞になる可能性があります。
妊娠している女性も、歯周病治療が大切です。羊水のなかに歯周病菌が入り、毒素を出すことによって、子宮が刺激され早産となり、低体重児が生まれる確率があがってしまうというデータがあります。
誤嚥性肺炎は、抵抗力の低い人や老人におこる病気です。お口のなかに増殖した細菌を、つばと一緒に飲み込んで、通常は食道のほうにながれていくつばが、間違って肺のほうに流れてしまい(誤嚥)、肺が細菌に感染することで発症します。抵抗力が落ちているときこそ、お口の中を清潔に保つことが大切です。
肺の機能低下や肺炎、関節リウマチなどの関節炎・腎炎などを引き起こす可能性があります。
歯周病の細菌は、全身に様々な悪影響を及ぼすのです。
普段から、歯周病の治療・口腔内のメンテナンスを受け、ホームケアもしっかり行って、お口の中を清潔に保つことが、全身疾患のリスクを下げることにつながります。
ホームケア+メンテナンス=健康な歯
歯周病の発症と進行には、日常の生活習慣が深くかかわっています。歯周病を防ぐためには、食生活を改善する、歯によくない癖に注意するといった、生活習慣の見直しが欠かせません。
そして最も基本的で重要なことは、毎日きちんと歯ブラシをし、歯と歯の間まで必ずお掃除することです。
デンタルフロス(糸)でも歯間ブラシでも大丈夫ですので、無理せず長く続けるために自分にあったケアグッズを見つけましょう。
どちらも根気のいることですが、がんばればがんばるだけ、結果はあらわれるものです。
できるだけ長く自分の歯で快適に食事をするためには、どうしてもご家庭での努力だけでは足りない部分が出てきます。
ご家庭で歯周病予防に励んでいただくと同時に、定期的に歯科を受診してメンテナンスを受けることをおすすめします。
藤沢かわい歯科は、患者様の理想の未来をともに考え、歩んでいく歯科医院です。
そのためには、まずお気持ちやご希望を伺うこと、検査による現状把握がとても大切です。
初診時には急性の痛みがある場合を除き、カウンセリングと検査のみとなることを、どうかご理解いただけますと幸いです。